第4次産業革命時代におけるスタートアップ・ベンチャー政策の進むべき道 ( 記事の出所: 韓国特許庁 ) 2017.06.27

[CIPO政策セミナーの概要]

韓国特許庁と韓国知識財産協会は6月27日(火曜)ノボテルアンバサダーホテル(ソウル江南区)で第44回CIPO(*)政策セミナーを共同開催した。

*CIPO:Chief Intellectual Property Officer、企業の知的財産最高責任者

このセミナーは中小企業が直面したさまざまな問題について国会・政府・企業が共に議論し、その解決策を模索するために開かれた。共に民主党の議員、特許庁の次長、サムスン電子の副社長、LG電子の常務、トップエンジニアリングの副社長、テスの社長など、国会・政府・企業関係者ら約70人が出席した。

[国内外の経済環境]

最近、第3次産業革命から第4次産業革命にシフトする中でグローバル経済は新たな転換期を迎えている。

新製品と新たなサービスが登場し、技術と技術、技術と文化の融合・複合により、産業間の境界がなくなり、プラットフォームと国際標準をリードする企業は後発企業との格差を広げている。

人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、クラウド、ビッグデータなど中核分野では知財権をめぐる国家間・企業間の生存競争が激化している。そこで資金不足・専門人材不足などに悩んでいる中小企業のためのよりきめ細かな政策が求められている。

[発題講演]

共に民主党の議員は「第4次産業革命に向けた新政権のスタートアップ・ベンチャー政策の方向」を発題した。

彼は、共有という概念をビジネスに取り入れたウーバーとエアビーアンドビーを例に挙げて今日の経済構造は「大量生産・消費」から「カスタマイズ生産・消費」へと、「規模の経済」から「速度・柔軟性中心の経済」へと、「大手企業中心」から「スタートアップ、中小企業中心」へと転換していると訴えた。

特に、スタートアップの生存率の低さ、高級人材によるスタートアップの少なさおよび成功例の少なさなど質的成長の限界と人為的なスタートアップのためのエコシステムづくりがこれまでの問題点だと指摘し、「新政権の政策としてはスタートアップのためのエコシステムの革新、スタートアップのグローバルな成長の促進を通じてスタートアップ・ベンチャーブームを社会全般に広げることに重点を置かなければならない」と強調した。

そのために新政権が進めるべき中核課題として投資中心の成長エコシステムづくり、ベンチャー確認制度の改変、スタートアップ・ベンチャー政策のガバナンスの改変、技術力を活かしたスタートアップおよびグローバル進出の活性化を挙げた。

第1に、資金支援方式を融資中心から投資中心へと転換するには民間投資資本に対する所得控除を拡大し、エンジェル投資の活性化および投資方式の多様化に向け、政策ファンドの運営方式を改める必要がある。また、投資金の回収経路の多様化、税制支援の条件緩和などにより、M&Aを活性化させる基盤を整えることも急務だ。特に、投資金の回収方法として「直接返済・株式公開(IPO)による回収」が盛んになるような環境づくりが必要だ。

第2に、一般的な中小企業政策と一線を画するベンチャー政策を進める必要があり、そのためにはベンチャー確認制度を改める必要がある。2016年末時点で3.3万に達するベンチャー企業の9割以上が保証・貸出類型であることを考えると、技術力・成長可能性をより厳密に検証できる新たなベンチャー類型の導入が必要だ。さらにベンチャー政策の実効性を高めるためにベンチャー企業の選別主体を政府から民間に変えるか、政府と民間が共同で選別する案も検討する必要がある。

第3に、スタートアップ・ベンチャー政策の効率性を上げるためには中小企業庁・未来部など各部処に分散している、似たような重複機能を効率的に調整するなどスタートアップ・ベンチャーガバナンスの改変が求められる。

最後に、民間主導のスタートアップ支援プラットフォーム(TIPSプログラムなど)の充実、ストックオプション税制改変などを通じて技術力を活かしたスタートアップを活性化させる。さらに海外アクセラレーターとR&Dの連携支援を通じてグローバル進出に成功した例を生み出し、スターベンチャー企業を育成する必要がある。

発題者は「スタートアップが、中小→中堅→大手企業へと成長できるようスタートアップの成長基盤を整える、未来志向的な政策策定が重要だ」と改めて強調した。

[自由討論]

発題講演に続き、大手企業・中小企業、関係機関の関係者が参加する自由討論では「スタートアップ・ベンチャー活性化」をはじめ、「税制」、「知的財産」などさまざまな分野における問題点や建議事項が提示され、これについて討論が行われた。

テスの社長は、中小企業にとって特許出願・登録にかかる費用負担が増加している現実について指摘し、これに対する支援策を国会と政府に求めた。また、トップエンジニアリングの副社長は、企業が特許侵害に事前に備えられるよう特許控除制度といった企業セーフティネットづくりの必要性を訴えた。

共に民主党の議員は「この場で建議し議論した懸案は綿密に検討する」とし「特に特許費用の税額控除と特許控除制度のような喫緊の事案については、早期に導入できるよう国会レベルで最大努力していく」と述べた。

特許庁の次長は「今日のセミナーは新政権の最大懸案である「スタートアップ活性化」と「雇用創出」に知的財産(IP)がどのように貢献するかを考えてみる良い機会だった」とし「今後も企業とコミュニケーションできる場を設け、現場の意見を政策に反映できるよう積極的に取り組んでいきたい」と語った。


 
 
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