商標権の取得ための費用と期間

韓国で商標権を取得するために、どのぐらいの費用や時間が必要になりますか?

出願手続きだけで《350~600ドル》程度の費用が発生します(代理人の費用込み。以下同じ)。日本での出願書類から韓国出願用の書類を作成するには1~2週間程度を見込んでください。
審査は6~8ヶ月後に始まり、審査官から拒絶理由通知が出された場合には、さらに費用と期間が必要になります。出願が無駄にならないよう事前調査を行うことが望ましく《250~350ドル》程度が必要です(最も単純な1標章・1商品分類の場合)。 登録された場合には、10年分の登録料として《 約300ドル》が必要です。

   

解説:(「模倣対策マニュアル・韓国編 (2010年3月)」より抜粋)
特許庁などに納付するオフィシャルフィーと代理人手数料を合わせて、その手続き全体でどのくらいになるのかを、以下に「費用」として示します(JETROソウルセンターが複数の韓国代理人事務所に2009年12月にアンケート調査した結果を反映しています)
また、以下に示す「期間」は、法定の期限ではなく、その手続きをすることによって権利取得までの日数がどのくらい経過(増加)するかを示したものです。

1. 出願前の調査の費用・期間
通常、海外向け商品企画の過程でロゴや文字態様、サブネームやスローガンなどが検討され、日本国内での商標と同じものを韓国出願したり、韓国向け/海外向けのみの商標を韓国内の代理人を通じて韓国出願が行われることになります。
日本での商標出願を基礎として日本での出願日から6ヶ月以内に優先権主張をして韓国出願を行なう場合(俗にパリルートという)もありますが、優先権を主張せずロゴや文字態様を決定したら直ぐに韓国代理人に商標出願を依頼することも多くありあます。最近は、マドリッド国際出願をして韓国を指定する方法も増えてきています。
韓国出願をする前に、韓国での登録可能性を調べたりロゴや文字態様の適性(識別力の有無や発音・意味上の問題がないか)、または指定商品の記載方法などを検討するために、現地代理人に事前に商標調査を依頼することも多い。商標調査は、文字商標で1標章1分類につき250~350ドル程度、図形商標はさらに100ドルほど高くなる。期間は平均1~2週間程度ですが、緊急を要する場合は数日で結果を得ることもできます。

2. 出願の手続き
韓国での商標出願時には、350~600ドル程度のコストが発生します(特許事務所によって代理人手数料に差があり、出願時の手数料を安価として後の手数料を高くしている場合もあります)。
日本語で出願用書類が作成されている場合には、韓国出願用の書類を作成するのに1~2週間程度を見込んでください。約6~8ヶ月で審査着手され、そのまま審査に合格すれば出願公告となり、2ヶ月間の公告期間の間に第三者から異議申立がなければ登録決定されます。
10年分の登録料(代理人手数料込みで約300ドル)を納付すると設定登録され商標権を取得することになります(1~2週間後に登録証が発給されます)。

※ 優先審査の利用
①出願人が出願商標を指定商品・役務のすべてに使用中であるか、もしくは使用準備中であることが確かなこと、②出願人でない者が出願商標を正当な理由なしに業として使用していると認められること、という二つの条件のうち一つの要件を備えている場合には、申請により、通常の審査よりも早い時期に審査に着手され審査期間そのものも短縮されます。

3. 審査段階
審査の過程でそのまま合格となる割合は高くなく、多くの場合、拒絶理由通知が出され、意見書・補正書の提出が必要となります。拒絶理由通知が出されて意見書・補正書の提出を行うのに2ヶ月、300~800ドル程度がかかり、応答期間延長(1ヶ月、約120ドル)は通常2回まで可能です。さらに2回目の拒絶理由通知が出されることもあり、その場合には同じ期間・費用がかかりますが、意見書・補正書を提出して審査に合格すれば約3ヵ月後に、上記と同様に商標権を取得することができます。

4. 異議申立
審査に合格し出願公告商標公報に掲載されると、2ヶ月以内に第三者が異議申立を申請してくる場合があります。この場合には、異議答弁書を提出する必要があり、4ヶ月、1500~2500ドル程度がさらにかかると考えてください。

5. 審判段階
審査に不合格の場合は拒絶決定が出され、この決定に不服の場合には、30日以内(2ヶ月延長も可、約120ドル)に拒絶査定不服審判請求を行うことになります。拒絶査定不服審判には、平均処理期間8~12ヶ月程度、約1,000~3,000ドルが必要になります。この過程で必要があれば審判官面談などを行いますが、その手続きに追加的に必要となる費用と期間は、期日の設定や準備量によって千差万別ですので、前もって現地代理人から見積もりを取ったほうがよいでしょう。

6. 特許法院段階
審判段階でも拒絶決定を維持する審決が下され、これに不服の場合には、審決取消訴訟を特許法院へ提訴することになります。提訴期間は30日(さらに許可により30日の期間延長が可能な場合もあります)と非常に短く、準備期間はあまり長く取れないが、最後の事実審であるため、事件の整理・書類の検討・戦略の樹立などに相当な労力がかかり、訴訟手続き全体に必要となる費用と期間は千差万別であるが、判決が下さるまでの特許法院の平均処理期間は弁論期日が一回指定されて終結する場合で4~5ヶ月程度とされており、費用については代理人によって5,000~20,000ドルと大きく差があるため、前もって見積もりを取りましょう。

7. 上告段階
特許法院での事実審について法律的瑕疵がある場合には、判決文送達日から14日以内に上告することができ、その後、上告記録受付通知書を受け取ったら20日以内に上告理由を提出することになります。4ヶ月以内に審理不続行棄却決定が出される場合もあるうえ、却下判決などの非常に短いものや異例的に長期間にわたるものがあるなど平均処理期間を出すのは非常に難しいのですが、商標事件の場合は1年~1年6ヶ月程度です。費用については前もって現地代理人から見積もりを取りましょう。

 

『模倣対策マニュアル・韓国編』(2010年3月)
著者:金&張法律事務所
(同書・第159頁- 第162頁の解説を抜粋)

 
 
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