事業進出前の商標出願のタイミング

当社は、2~3年後に韓国市場に進出する計画であり、先ず韓国に該当商品の商標を出願して登録を受けようと考えています。 登録後のしばらくの間は、当該商標は使用しないものと思われますが、このように韓国の商標登録を受けるだけで使用していない場合に予想される不利な点はあるのでしょうか。

御社が事業を開始する前に、また、韓国での輸入代理店などを探す前に、韓国市場への進出計画があれば、
早めに韓国での商標出願を行うことをお勧めします。
   

解説:
商標出願から登録までは、一般的には1年程かかります。
御社の商標出願が特許庁で審査される過程で他人の商標が発見されたり、第三者より異議申立てがされたりすることも考えられるため、他人の権利を侵害しないためにも、韓国で商品を販売するなど事業を開始する前に、御社の商標権が実際に登録されていることが望ましいといえます。

そして、日本でその商標の商品を販売しているか否かに関わらず、また、日本で商標登録を受けているか否かに関わらず、韓国での商標登録は原則として韓国特許庁に先に出願した出願人に与えられるので、韓国市場への進出計画があれば、早めに韓国での商標出願を行うことをお勧めします。
例えば、韓国への進出のために、御社の商品を製造・販売する韓国企業(総代理店など)を探そうとするときには、韓国企業にコンタクトして商品の紹介などをするよりも先に、御社自身が韓国での商標登録出願を済ませてください。こうしたケースで、商品の説明を聞いた韓国企業(総代理店など)が、御社の韓国での事業開始を見越して(権利を先取りするために)韓国での商標出願をしてしまう事件がみられます。

< 商標の不使用の問題 >

さて、早めに商標を登録した場合、ご質問のように、韓国で商品を販売していないにも関わらず、商標が登録されている状態になりますが、このように商標登録を受けるだけで使用していない場合でも問題はありません。
ただし、長期間、正当な理由なく使用されない登録商標は、『商標登録取消審判』によってその登録が取り消されることがあります。
具体的には、登録商標が指定した商品に対して、商標権者、専用使用権者、または通常使用権者のうちの誰もが正当な理由なく取消審判の請求日の前に継続して3年以上国内で使用していなかった場合、利害関係人(同業者など)は、商標登録取消審判によってその商標登録の取消しを請求することができます(使用権者については、質問6の解説をご覧ください)。
従って、例えば2~3年後に韓国市場に進出する計画があるのであれば、現在の時点で商標出願の手続きを開始し、登録を受けておいても、特に不利なことはありません。

しかし、商標が登録された後に3年が経過するまで正当な理由もなく該当商標を使用しなかった場合には、上述した不使用取消審判によってその登録が取り消されることがあるため、登録後の3年が経過する前に登録商標を単発的にでも使用することが好ましいといえます。商標の使用としては、その商標の付いた商品を韓国で流通させることはもちろん、その商標の付いた商品を韓国で広告する行為も商標の使用行為として認められます。

  2010.04.01 掲載
解説者:
特許法人ムハン
代表弁理士 丁泰栄 (ジョン・テヨン) 氏


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