日本で登録できた商標

日本で商標登録のできた商標であれば、韓国でも同じ商標権を取得できるのでしょうか。

韓国で先に出願(又は登録)された同一または類似の商標が存在することがあり、韓国では登録が拒絶される可能性があります。出願する前に、韓国の商標について検索をしておくことが必要です。なお、その商標の読み(音)が、韓国語で否定的な意味を持たないか確認することも必要です。
   

解説:
商標登録は国別に独立に発生し、各国の特許庁で独立に登録要件を満たすか否かが審査されます。
したがって、日本に出願した商標を韓国においても出願しようとする場合に、日本では同一または類似する先の出願や登録商標がないとして商標登録がなされたとしても、韓国では同一または類似する先の出願等が存在するケースがあり、韓国での商標登録が拒絶される可能性があります。

(1) あなたが日本語(平仮名、片仮名または漢字)からなる文字商標を出願した場合に、これと同一または類似する先の出願等が存在するか否かが審査されるにあたっては、日本語からなる商標のみが比較対象となるのではなく、韓国語、英語などの外国語で構成された先の出願等も比較対象とされます。つまり、韓国特許庁で商標の類似性が審査されるときは、先の出願等と①外観、②称号、③観念のうちの一つが類似すれば、原則的に類似するものと判断されるのです。
例えば、あなたが「かえ-ズボン」を出願した場合に、韓国特許庁に既に「力之-ズボン」という商標が先に出願または登録されていれば、①外観が類似するという理由によって拒絶されることでしょう。あなたが「かく」または「はる」という商標を出願した場合に、「Kaku」または「Haru」が先に出願または登録されていれば、②称号が類似するという理由によって拒絶されるでしょう。また、あなたが「王」または「つめ-きり」という商標を出願した場合に、「King」または「Nailclipper」という商標が先に出願または登録されていれば、③観念が類似するという理由によって拒絶されるでしょう。

(2) また、日本で指定商品の普通名称、慣用商標、または商品の性質を、普通に用いられる方法によって表示する商標などは、識別力がないことを理由として登録が困難であるように、韓国でもこのような識別力のない商標は登録を受けることができません。
例えば、「DAINIPPON」は「大日本」を意味する著しい地理的名称として識別力がないと判断された事例(審判院1998年11月30日付98ハンウォン421審決)、「CINNAMON」は化粧品類に対して性質表示として識別力がないと判断された事例(特許法院2006年9月8日宣告2006ホ4444判決)、「Cafe」は電子掲示板サービス業に対して識別力がないと判断された事例(特許法院2005年12月10日2005ホ3666判決)などがあります。

出願前に商標の登録可能性を調べるためには、出願する商標と同一または類似する商標が先の出願や登録商標に存在するか否かを検索しておく必要があります。

さらに、韓国特許庁は、特許庁の告示によって例示された一部の包括名称を除き、指定商品またはサービス業の名称を明確かつ具体的に指定することを要求しているため、日本特許庁から明確な名称として認められた、あるいは認められるに値する商品名称のほとんどは、韓国特許庁においても明確な商品名称として認められるものと思われます。

なお、あなたの商標が日本では商標登録要件を満たして登録されたとしても、その読み(音)の持つ意味が韓国語で否定的な内容を意味する場合、事業に悪影響を与えることになるため、平仮名やカタカナの音を決定する場合に、該当する韓国語の音に否定的な意味が存在しないかを事前に調査することが必要です。
例えば、日本語の「バンク」の場合、日本では「銀行」を意味しますが、韓国語で「おなら」を意味する音にもなり得るため、もし韓国特許庁に登録されたとしても、このような単語を用いて韓国で事業をすることは、会社に良くないイメージを与えることにつながる可能性があります。よって、単語の選択には慎重を期する必要があるでしょう。

  2010.03.01 掲載
解説者:
特許法人ムハン
代表弁理士 丁泰栄 (ジョン・テヨン) 氏


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