商標,その他 大法院
原告、被上告人(個人A) vs. 被告、上告人(個人B) 2016フ1383
2016-10-27 確定
【事実関係】
 原告は、ビタミンCとケンポナシの実の抽出粉末を含有する錠剤形態の製品(以下「本件商品」)を判を確認対象標章である「」という包装で販売する者であり、包装の中央に表示された「 (護肝寶)」部分は、本件商品の効能や用途などを表示する性質表示標章に該当するので、健康補助食品などを指定商品として登録された被告の登録商標「호간보」の権利範囲に属さないと主張しながら消極的権利範囲確認審請求した。 特許審判院は、「護肝寶」は「肝臓を助ける又は守る宝や宝物」程度に認識され得るが、これは本件商品の品質、効能、用途などをある程度暗示又は強調することにとどまるだけなので性質表示標章に該当しないとしながら、原告の消極的権利範囲確認審判請求を棄却する審決をし、これに対し、原告は、特許法院に審決取消訴訟を提起した。

【判決内容】

(1)性質表示標章に対する商標権の効力の制限の法理
 商標法第90条第1項第2号の「商品の産地・品質・原材料・効能・用途・数量・形状(包装の形状を含む)・価格又は生産方法・加工方法・使用方法及び時期を普通に用いられる方法により表示する商標」、即ち、性質表示標章に該当するかは、その商標が有している観念、使用商品との関係及び取引き社会の実情等に鑑みて客観的に判断すべきであるところ、需要者がその使用商品を考慮した時、品質、効能、形状等の性質を表示するものと直感できればこれに該当し、この時、商標が使用商品の品質、効能等の性質を表示する文字部分に他の文字等が付加されたものであっても、付加された部分が特に識別力がなく、全体的に見る時、そのような結合が一般人の特別な注意を引いて上性質表示文字部分の技術的又は説明的な意味を直感できないなど、新たな識別力を有する程に至らず、一般需要者や取引者が使用商品を考慮した時、品質・効能・用途等を表示するものと直感できれば、その商標は依然として商標法第90条第1項第2号所定の性質表示標章に該当する。
(2)「護肝寶」が性質表示標章に該当するか否か
 確認対象標章の中央部に配列された「護肝寶」は、平凡な文字体で構成され、特に図案化されたところもない点、本件商品の主原料であるケンポナシは、昔から肝臓疾患などに効能があると知られており、食品医薬品安全庁から健康機能食品の機能性原料として認証まで受けている点、「護」は「助ける、守る、保護する、統率する」というなどの意味を有する漢字であり、「肝」は「肝、肝臓」などの意味を有する漢字であり、漢文や中国語は一般に「述語+目的語」の語順をとるので、「護肝」はそれ自体が明示的・直接的に「肝臓を保護する」という意味を示すという点、上記各漢字は比較的容易な漢字に該当し、たとえ「護肝」が国語辞典に登載された単語ではないとしても、一般需要者に「肝臓を保護する」という意味に容易に直感されると見られる点、「寶」も健康機能食品と関連して識別力が微弱であり、「護肝」に「寶」を結合しても「肝臓を保護する大切な物」程度の意味に認識されるだけで、新たな識別力が形成されるものではない点、「護肝寶」はその簡体字である「 护肝宝 」が中国で「肝臓によい健康機能食品」の慣用標章又は普通名称として使用されている点などを総合して考慮してみると、上記で見たように、「護肝寶」はそれ自体が「肝臓を保護する」という意味を明示的・直接的に示し、このような形態をとった韓国語の単語が相当数あり、一般需要者や取引関係者がその意味を容易に直感できる点などに照らしてみると、「護肝寶」は商標法第90条第1項第2号所定の性質表示標章に該当すると見るのが妥当である。
(3)結論
 被告の登録商標は、特に図案化なしにハングルだけで表記された「호간보」という標章として確認対象標章の構成要素のうち、「護肝寶」部分と呼称が同一であるが、上記で見た通り「護肝寶」の部分は性質表示標章なので、本件登録商標の商標権が及ばない。

【専門家からのアドバイス】
 商品の効能や用途等を普通に使用する方法で表示する商標である性質表示標章の場合には、自由使用の必要性が公益上要請されるので、登録商標の全部あるいは一部と同一、類似の場合であっても、商標権の効力が及ばない。ところが、漢字で構成された造語商標の場合、表意文字である漢字の特性上、その商標を見る場合、指定商品や使用商品の品質・効能・用途等を推知できるとしても、一律的にこれを性質表示標章に該当すると断定できないというのが一般的な判例の傾向だった。しかし、本案は漢字語で構成された商標に対して、実際にその標章が使用された態様、一般需要者の漢字教育水準などを総合的に考慮して、一般需要者が「護肝寶」の部分を性質表示標章として認識するはずであると判断しながら、漢字で構成された商標が性質表示標章に該当するか否かを判断する基準を示したという点で意味があるといえるだろう。
 
 
ニセモノ撲滅キャンペーン